EuroPython2016で登壇しました

2016/10/17
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エンジニアの和田です。3ヶ月ほど前になりますが、スペインのBilbaoという場所で開催されたEuroPython2016というイベントで登壇したので、そのレポートを書きます。

そもそもEuroPythonって?

ヨーロッパで最大級のPythonのイベントです。世界最大のPythonイベントはPyConUSで、参加者人数規模で言うと世界で2番目に大きいPythonのイベントということでした(参加者は1,200-1,300位とのこと)ちなみにPyConJPは参加者が700名程度らしいので、Pythonイベントの中では世界で見てもかなり大きい方に入るのではないかと思います。

開催地は、毎年点々と変わっており、今年はスペインBilbaoのEuskalduna Conference Centerという場所で開催されました。

EuroPyton2016のすべての講演はYouTubeでLivestreamingされ、イベント終了後には同様にすべての講演を YouTube上で見えることが可能です。発表スライドも基本的にはアップロードされていて、各講演の紹介ページの右上の”Download slide”ボタンからダウンロードできます(ないやつもあります)。

気になった/面白かった講演

カテゴリごとに気になった/面白かった講演を紹介します。

Web開発系

Building Service interfaces with OpenAPI / Swagger

紹介ページ
Yelpの中の人の発表。昨今、高まりをみせているOpenAPI/Swaggerですが、それらとPythonをからめた内容。登壇者はYelpのTechnical Leaderの方で、Yelpで開発しているOpenAPI/SwaggerのPythonクライアントライブラリbravadoの紹介が中心でした。余談ですが、YelpはEuroPythonに力を入れていたのか複数人登壇者と来ていてスゴイなと思いました。ちなみにカブクでもOpenAPI/Swaggerを使用したWeb開発をしていて、先日のAngular関連のイベントでLTしているので、よかったら見てみて下さい。

Python機能系

The Gilectomy

紹介ページ
CPythonで並列処理を書く上でぶつかる問題の一つに GIL(Global Interpreter Lock)があります。GILのおかげで、マルチスレッドな処理を書いても複数のCPUを使用することができず、CPU boundなプログラムでは効率的な処理が実行されません。一般的に、GILは「悪名高い」とされることも多く、GILの是非について今までもいろいろな議論がされてきました。登壇者のLarry HastingsさんはCPythonのコミッターの1人であり、「最新のPythonでGILを排除してみるとどうなるのか?」(GILを排除したPython=Gilectomy)それがこの講演の主題でした。なかなか深い内容で、気になる方は是非動画をご覧ください。

It’s not magic: descriptors exposed

紹介ページ
Pythonのディスクリプタを解説した講演。ゲームを例にして、ディスクリプタを解説していました。ちなみに日本語ですとQiitaのコチラの記事が詳しいです。

async/await in Python 3.5 and why it is awesome

紹介ページ
CPythonのcore developerの方の発表。内容自体は初心者向けで、Python3.4で導入された ayncioやPython3.5で導入されたaync/awaitの紹介でした。

Go言語系

EuroPythonはPythonのカンファレンスなんですが、Go言語の発表があってちょっと面白かったです。もちろん、発表にはPythonを何らか絡めての発表はされていました。

Go for Python Programmers

紹介ページ

Do I need to switch to go(lang)?

紹介ページ
動作速度、並行処理、GIL(Global Interpriter Lock)などの幾つかの要素を理由に、PythonからGolangへの切り替えを考えても良いのではないか?という講演でした。PythonとGolangで同じソースを書くとどのように書けるのか、という比較があって分かりやすかったです。といいつつ、最後のまとめではGolangは「No Soul」とまとめていてビックリ!気になる方は、動画をご覧ください。

その他

上記のカテゴリにまとまりきらなかったけど面白かった講演を紹介します。

A Million Children (and MicroPython)

紹介ページ
micro:bitというイギリス放送局BBCが開発したARMベースのボードとMicroPythonという組込みシステム用Pythonに関する講演。micro:bit自体は、MicroPythonだけでなくJavascriptを始めとした複数の言語で記述することが可能です。MicroPythonでは、専用の muというエディタ(マルチプラットフォーム対応)があり、これを使うことで簡単に開発が可能です。EuroPythonの参加者は、1人1個micro:bitを貰えるという太っ腹っぷりでした!

MicroPython/micro:bitについては、BPStudy#108のLT発表したのでよろしけでばそちらもご覧ください。

Simplifying Computer Art in Python

紹介ページ
惑星シミュレーションのグラフィックの課題を出された学生が、Pythonを使って3Dグラフィックスを作成する際に(1)Processing+Python、(2)PyOpenGL、(3)pyglet、(4)VPythonを検討して、最終的にはpygletを採用したという内容でした。TravisCIを利用したCIで、APIのBreakingChangeの影響がないかを確かめるという点が今っぽいなと。

3D Modeling and Printing by Python

紹介ページ
最後ですが、自分の講演を紹介します。内容としては PyConJP2015や、 Developers Summit 2016で発表させて頂いた「Pythonを使った3Dモデリングと3Dプリント」の話をしました。過去の発表に色々+αをして発表したのですが、特に最近作成した「Blenderで作成したデータをMinecraftの世界に突っ込むネタ」で笑いが取れたので満足。ちなみにBlenderとMinecraftネタは昔のブログでも書いてます。シャツはICHIMIです。

最後に

今回Pythonの海外イベントに参加したのは初でしたが、Pythonは世界で愛され使われている言語だな…ということを改めて感じました(日本にいると少し感じにくいですが…)。あとは、日本人1人(たぶん)の状態で交流パーティーに行って結構不安な感じでしたが、フレンドリーな人が多くいろいろな人とコミュニケーション取れて良かったです。



この記事で紹介した発表は、ほんの一部です。最初に述べたようにすべての講演はYouTubeが公開されていますので、ぜひご覧になってみると良いと思います。


おまけ

スペインのBilbaoというところは、スペインのバスク地方の都市でピンチョス(pintxo)という一口食事で有名です。このピンチョス、安くてめちゃうまいのでこれを食べているだけで幸せになれました。あとは、お酒も美味しくて安いという天国でした。

気候は、日中の寒暖の差が非常に激しく朝晩は20度で、日中は45度というような感じでしたが、湿度が低いのでそんなに不快感は感じなかったです。

ちなみにスペイン滞在中にPokemonGoが解禁になっていたのですが、スペインの子どもの集団がスマホ持ちながら公園を練り歩いていたのが印象的でした。あと、先日から約18年ぶりに成田マドリード間の直通便が就航開始となったので、スペイン行かれる方、是非使ってみると良いです。

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最後に、 カブクではPythonエンジニアやフロントエンドエンジニアを募集しています。興味ある方、一度オフィスまで遊びに来て下さい!

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