3DプリンターでLチカ

2017/07/26
このエントリーをはてなブックマークに追加

Lチカがしたいです

はじめまして カブクのJenkinsおじさん 大橋です。
普段はKabuku MMSというサービスの開発をしたり、Jenkinsおじさんしたり、3Dプリンターを直したりしています。

ところでLチカしたいですね!
夏になるとLチカしたくなりますよね
でも手元にあるのはオフィスの棚で見つけたRaspberry Piだけです。LEDがありません。
でも弊社には3Dプリンター(Ultimaker3)があります。そして3DプリンターにはLEDがついています。
そこで今回はRaspberry Piと3DプリンターでLチカしてみたいと思います。

用意するもの

  • Raspberry Pi (なんのモデルでもおk)
    • 下記のUltimaker3と同一ネットワークに接続してください。
  • 3Dプリンター
    • 弊社ではUltimaker3という3Dプリンターを使っています。
      • 今回の記事におけるFirmwareは 3.6.2.20170322 です。

Ultimaker3のAPIとLED制御

Ultimaker3にはネットワーク経由でUltimaker3を制御するためのREST APIがあります。
REST APIのドキュメントはSwagger形式で記述されており、以下のURLで参照できます。

http://{Ultimaker3のIPアドレス}/docs/api

このドキュメントはSwagger UIと呼ばれるもので、このドキュメント上から直接APIを叩くことが出来ます。
なおSwagger JSONは以下から取得できます。

http://{Ultimaker3のIPアドレス}/docs/api/api_documentation.json

もし手元にUltimaker3がなくてドキュメントだけ見たい場合は、以下から参照ができます。

http://software.ultimaker.com/jedi/api/

ただし、Ultimaker3のファームウェアによってAPIが若干違うので、可能であれば実機のドキュメントを参照してください。
※今回Swaggerについての詳細は記述しません。

APIの認証方式

APIの認証方式は2段階あります。

  1. ultimaker3へハードウェア上での認証を利用してユーザ名を登録し、ID/KEYを取得
  2. ID/KEYを利用してHTTP Digest認証

なおUltimeker3のステータスや、現在のプリント状況の取得など、Ultimaker3から情報を取得するAPIを叩く場合は、1. のみ必要で、2.のHTTP Digest認証は必要ありません。
手順については後ほど詳しく記載します。

Ultimaker3のLED API

上記のSwagger UIの中に Printer > /printer/led/printer/led/blink というAPIがあり、これらがLED制御に関するAPIです。
/printer/led は現在のLED設定の取得と更新が行なえます。
LEDの情報はJSON形式の色情報(HSV値)で取得/更新することが出来ます。
なお現在、弊社のUltimaker3のfirmwareでは若干このSwaggerの記述に誤りがあり、
ドキュメント上では、valueというプロパティがありますが、実際にはbrightnessになります。

  • LED APIのパラメータ
    • hue
      • HSV色空間のHue(色相)の値 0~254の数値
    • saturation
      • HSV色空間のSaturation(彩度)の値 0-100の数値
    • brightness
      • HSV色空間のbrighness(明度)の値 0-100の数値
        swagger定義上はvalueになっているが実際はbrightness

GETメソッドにより値を取得、PUTメソッドにより値を更新できます。
注意点として、ハードウェア上で明るさやLEDのON/OFFを設定している場合、そちらの設定が勝ち、
更新を行っても反映はされるが、LEDがつかなかったり、実際の明度よりかも落ちた状態で点灯します。

/printer/led/blinkはLEDを点滅することができます。
このAPIには周波数(frequency)と点滅回数(count)を設定でき、それにより点滅する長さと、間隔を設定できます。

  • Blink APIのパラメータ
    • frequency
      • 周波数(hz)
    • count
      • 点滅回数

なお色については上記のLED APIで設定された値が利用されます。
今回の記事中ではこのAPIは扱いません。

LED APIを叩いてみる

では実際にLED APIを叩いていきたいと思います。

Swagger UI

まずは簡単に試すことができるSwagger UI上から以下の手順で実施していきます。

  1. 認証
    1. ユーザ登録 & ハードウェア認証
      • Digest認証は実際にAPIを叩く際に行います。
  2. LED API
    1. 現在のLED設定を取得
    2. Lチカ

認証(ユーザ登録 &ハードウェア認証)

ユーザ登録とハードウェア認証を行うにはAuthenticationにあるPOST /auth/request APIを利用します。
applicationuser input formに任意の値を入れて、Try it outボタンをクリックします。



すると、APIよりidkeyが返却されます。
これらの値は後でDigest認証を行う際に利用しますので、どこかにメモしておいてください。

またUltimaker3上で以下のようにAPIアクセスをしても良いかの確認が表示されますので、ALLOWを選択、決定してください。



これで認証は完了です。

現在のLED設定を取得(GET /printer/led)

次にLED設定を状態を取得してみたいと思います。
PrinterにあるGET /printer/led APIを開き、Try it outボタンをクリックしてください。 このAPIにはパラメータはありません。
すると以下のように現在のLEDの値が取得できるはずです。

{
  "blink": {},
  "brightness": 1,
  "hue": 0,
  "saturation": 0
}

Lチカ(PUT /printer/led)

いよいよ3DプリンターでLチカをしてみたいと思います。
LチカをするにはPrinterにあるPUT /printer/led APIを利用します。
hueパラメータのvalue欄に以下を設定し、Try it outボタンをクリックします。
この時、Digest認証を一度も行っていない場合はusername/passwordを聞かれるダイアログが表示されるので、
それぞれ先程取得したID/KEYを設定します。

{
    "hue": 0,
    "saturation": 100,
    "brightness": 100,
}

どうですか? Ultimaker3が赤色に光りましたか?
もし光っていない場合は、ハードウェア上で認証を行ったか、ハードウェア上のLED設定が点灯する設定になっているかなどを確認してください。

Raspberry Piから叩く

ここまでくればRaspberry PiからLチカするのも簡単です。
今回は簡単にshellを利用してLチカを行ってみたいと思います。
認証周りは面倒なのでSwagger UI上で行い、ID/KEYを控えておいてください。
また今回はDigest認証が簡単に行えるのでcurlを利用してAPIを叩きます。

まず Raspberry Piにsshなどで入ります

$ ssh pi@raspberrypi.local

以下のスクリプトのUM_IPUM_IDUM_KEYを設定、viなどでを作成し、実行権限を追加します。

lchika.sh

#!/bin/bash

UM_IP="" # UltimakerのIP
UM_ID="" # /auth/request APIで取得したID
UM_KEY="" # /auth/request APIで取得したKEY

if [[ "${UM_IP}" = "" || "${UM_ID}" = "" || "${UM_KEY}" = ""  ]]; then
    echo "UM_IP、UM_ID、UM_KEYを設定してください"
    exit 1
fi

LED_API_URL="http://${UM_IP}/api/v1/printer/led"

## APIを叩く (赤→青→黄)*3→消す
HSV_COLORS=(
    '0 100 100' # 赤
    '240 100 100' # 青
    '60 100 100' # 黄
    '0 100 100' # 赤
    '240 100 100' # 青
    '60 100 100' # 黄
    '0 100 100' # 赤
    '240 100 100' # 青
    '60 100 100' # 黄
    '0 0 0' # 消す
)

for hsv in "${HSV_COLORS[@]}"
do
    hsvVal=(${hsv[@]})
    curl --digest -u $UM_ID:$UM_KEY \
         -H "Accept: application/json" \
         -H "Content-type: application/json" \
         -X PUT -d "{\"hue\":${hsvVal[0]},\"saturation\":${hsvVal[1]},\"brightness\":${hsvVal[2]}}" \
         $LED_API_URL
    sleep 0.1
done

echo finish
$ vi ~/lchika.sh
$ chdmoe +x ~/lchika.sh

起動してみましょう

$ ./lchika.sh



いかがですか? Lチカ出来ましたか?

まとめ

今回は3Dプリンターを利用して、Lチカを行いました。 Lチカが出来てスッキリしましたね。

Ultimaker3にはLED以外にも実際にプリントを行ったり、ファンを回したり、ビープ音を出すAPIなどもあり、
またそれらがSwagger形式で書かれていることにより、Swagger Generatorなどを利用して、
簡単にAPIクライアントライブラリを作成しすることが出来ます。

また今回のケースではぶっちゃけRaspberry Piは何も必要じゃなかったですが、
実際に弊社では余ったRaspberry PiとこのAPIを利用して、Ultimaker3の状態を監視し、プリントが始まったらタイムラプスを作成するなどのことを行っています。
※この話はまた別の機会にブログに上げたいと思います。

3DプリンターにAPIがあることでとても楽しいLチカが出来ましたね
では良いLチカライフを

その他の記事

Other Articles


TypeScript で “radian” と “degree” を間違えないようにする

2019/02/05
Python3でGoogle Cloud ML Engineをローカルで動作する方法

2019/01/18
SIGGRAPH Asia 2018 参加レポート

2019/01/08
お正月だョ!ECMAScript Proposal全員集合!!

2019/01/08
カブクエンジニア開発合宿に行ってきました 2018秋

2018/12/25
OpenAPI 3 ファーストな Web アプリケーション開発(環境編)

2018/12/23
いまMLKitカスタムモデル(TF Lite)は使えるのか

2018/12/21
[IoT] Docker on JetsonでMQTTを使ってCloud IoT Coreと通信する

2018/12/11
TypeScriptで実現する型安全な多言語対応(Angularを例に)

2018/12/05
GASでCompute Engineの時間に応じた自動停止/起動ツールを作成する 〜GASで簡単に好きなGoogle APIを叩く方法〜

2018/12/02
single quotes な Black を vendoring して packaging

2018/11/14
3次元データに2次元データの深層学習の技術(Inception V3, ResNet)を適用

2018/11/04
Node Knockout 2018 に参戦しました

2018/10/24
SIGGRAPH 2018参加レポート-後編(VR/AR)

2018/10/11
Angular 4アプリケーションをAngular 6に移行する

2018/10/05
SIGGRAPH 2018参加レポート-特別編(VR@50)

2018/10/03
Three.jsでVRしたい

2018/10/02
SIGGRAPH 2018参加レポート-前編

2018/09/27
ズーム可能なSVGを実装する方法の解説

2018/09/25
Kerasを用いた複数入力モデル精度向上のためのTips

2018/09/21
競技プログラミングの勉強会を開催している話

2018/09/19
Ladder Netwoksによる半教師あり学習

2018/08/10
「Maker Faire Tokyo 2018」に出展しました

2018/08/02
Kerasを用いた複数時系列データを1つの深層学習モデルで学習させる方法

2018/07/26
Apollo GraphQLでWebサービスを開発してわかったこと

2018/07/19
【深層学習】時系列データに対する1次元畳み込み層の出力を可視化

2018/07/11
きたない requirements.txt から Pipenv への移行

2018/06/26
CSS Houdiniを味見する

2018/06/25
不確実性を考慮した時系列データ予測

2018/06/20
Google Colaboratory を自分のマシンで走らせる

2018/06/18
Go言語でWebAssembly

2018/06/15
カブクエンジニア開発合宿に行ってきました 2018春

2018/06/08
2018 年の tree shaking

2018/06/07
隠れマルコフモデル 入門

2018/05/30
DASKによる探索的データ分析(EDA)

2018/05/10
TensorFlowをソースからビルドする方法とその効果

2018/04/23
EGLとOpenGLを使用するコードのビルド方法〜libGLからlibOpenGLへ

2018/04/23
技術書典4にサークル参加してきました

2018/04/13
Python で Cura をバッチ実行するためには

2018/04/04
ARCoreで3Dプリント風エフェクトを実現する〜呪文による積層造形映像制作の舞台裏〜

2018/04/02
深層学習を用いた時系列データにおける異常検知

2018/04/01
音声ユーザーインターフェースを用いた新方式積層造形装置の提案

2018/03/31
Container builderでコンテナイメージをBuildしてSlackで結果を受け取る開発スタイルが捗る

2018/03/23
ngUpgrade を使って AngularJS から Angular に移行

2018/03/14
Three.jsのパフォーマンスTips

2018/02/14
C++17の新機能を試す〜その1「3次元版hypot」

2018/01/17
時系列データにおける異常検知

2018/01/11
異常検知の基礎

2018/01/09
three.ar.jsを使ったスマホAR入門

2017/12/17
Python OpenAPIライブラリ bravado-core の発展的な使い方

2017/12/15
WebAssembly(wat)を手書きする

2017/12/14
AngularJS を Angular に移行: ng-annotate 相当の機能を TypeScrpt ファイルに適用

2017/12/08
Android Thingsで4足ロボットを作る ~ Android ThingsとPCA9685でサーボ制御)

2017/12/06
Raspberry PIとDialogflow & Google Cloud Platformを利用した、3Dプリンターボット(仮)の開発 (概要編)

2017/11/20
カブクエンジニア開発合宿に行ってきました 2017秋

2017/10/19
Android Thingsを使って3Dプリント戦車を作ろう ① ハードウェア準備編

2017/10/13
第2回 魁!! GPUクラスタ on GKE ~PodからGPUを使う編~

2017/10/05
第1回 魁!! GPUクラスタ on GKE ~GPUクラスタ構築編~

2017/09/13
「Maker Faire Tokyo 2017」に出展しました。

2017/09/11
PyConJP2017に参加しました

2017/09/08
bravado-coreによるOpenAPIを利用したPythonアプリケーション開発

2017/08/23
OpenAPIのご紹介

2017/08/18
EuroPython2017で2名登壇しました。

2017/07/03
Three.js r86で何が変わったのか

2017/06/21
3次元データへの深層学習の適用

2017/06/01
カブクエンジニア開発合宿に行ってきました 2017春

2017/05/08
Three.js r85で何が変わったのか

2017/04/10
GCPのGPUインスタンスでレンダリングを高速化

2017/02/07
Three.js r84で何が変わったのか

2017/01/27
Google App EngineのFlexible EnvironmentにTmpfsを導入する

2016/12/21
Three.js r83で何が変わったのか

2016/12/02
Three.jsでのクリッピング平面の利用

2016/11/08
Three.js r82で何が変わったのか

2016/12/17
SIGGRAPH 2016 レポート

2016/11/02
カブクエンジニア開発合宿に行ってきました 2016秋

2016/10/28
PyConJP2016 行きました

2016/10/17
EuroPython2016で登壇しました

2016/10/13
Angular 2.0.0ファイナルへのアップグレード

2016/10/04
Three.js r81で何が変わったのか

2016/09/14
カブクのエンジニアインターンシッププログラムについての詩

2016/09/05
カブクのエンジニアインターンとして3ヶ月でやった事 〜高橋知成の場合〜

2016/08/30
Three.js r80で何が変わったのか

2016/07/15
Three.js r79で何が変わったのか

2016/06/02
Vulkanを試してみた

2016/05/20
MakerGoの作り方

2016/05/08
TensorFlow on DockerでGPUを使えるようにする方法

2016/04/27
Blenderの3DデータをMinecraftに送りこむ

2016/04/20
Tensorflowを使ったDeep LearningにおけるGPU性能調査

→
←

関連職種

Recruit

サーバーサイドエンジニア(Python/Go)

業務内容

カブク自社で開発・運営しているWebサービス(3Dプリンターなどを活用したデジタル製造サービス)のサーバサイド開発。WebサービスのバックエンドやAPIの設計・実装をお任せします。

フロントエンドエンジニア(TypeScript)

業務内容

自社で開発・運営しているWebサービス(3Dプリンターなどを活用したデジタル製造サービス)のフロントエンドの設計や実装をお任せします。 また、新規サービス開発プロジェクトへも参画いただけます。

機械学習エンジニア

業務内容

機械学習を用いた3Dデータや2Dデータからの情報抽出モデルの構築やセンサーデータの分析モデルの調査・研究・開発。 PoCだけでなく、データの前処理や学習、ハイパーパラメータチューニング、獲得モデルの評価、適用、運用のパイプライン構築まで、機械学習をプロダクション適用する全てのお仕事に携われます。

インターン(エンジニア)

業務内容

カブクの社員と肩を並べて、実業務を中心とした知識やスキルを身につけていただく実践型インターンシップ。スタートアップならではのスピードがあり、ダイナミックな就業経験を体験することが可能です。

→
←

お客様のご要望に「Kabuku」はお応えいたします。
ぜひお気軽にご相談ください。

お電話でも受け付けております
03-6380-2750
営業時間:09:30~18:00
※土日祝は除く